自動車検査員の資格をとるには
受験資格や試験の合格点を紹介!
![自動車検査員の資格を取るには](./img/top_inspector.jpg)
自動車検査員は、車検で整備が完了した車の最終チェックを行う仕事です。
仕事に就くためには、まず国家資格である自動車検査員試験に合格しなければなりません。この記事では試験の概要や、難易度について解説しています。受験するにあたり厳しい条件もあるため、併せて確認しましょう。
自動車検査員の仕事は
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自動車検査員は、自動車の安全性、排出ガスの規制遵守、運転に支障のない状態であることを確認するために、車両検査を行う専門家です。自動車検査員は、以下のような仕事を行います。
車両の点検:
自動車検査員は、車両の外観、内装、機器、エンジン、ブレーキ、サスペンション、ステアリング、タイヤなどを点検し、不具合や異常がないか確認します。
試乗テスト:
車両の運転席に座り、試乗テストを行います。運転性能やブレーキ、加速、揺れ、振動などを確認し、安全性を確保します。
計測機器の操作:
排出ガス量などを計測する機器を使い、車両の排出ガス量を測定し、規制値内であるかどうかを確認します。
検査結果の報告:
検査結果をまとめ、点検結果書を作成し、車両所有者に報告します。点検結果書には、合格、不合格、指摘箇所、修理箇所、再検査の有無、次回検査時期などが記載されます。
改善提案のアドバイス:検査員は、車両の改善提案やメンテナンスのアドバイスをすることもあります。これにより、車両の安全性と性能を向上させ、事故を防止することができます。
自動車検査員は、自動車検査を実施する前に、自動車検査員の資格を取得する必要があります。自動車整備士の資格を持っている場合は、短期間で取得することができます。また、毎年定期的な研修を受け、最新の技術や法律を熟知している必要があります。
自動車検査員の資格について
自動車検査員になるためには、必須な資格です。働き場所が同じことから、よく整備士と勘違いされがちですが、検査員と整備士では役割がことなります。
整備士は、主に故障車の修理・整備などメンテナンスがメインです。
対して検査員は、整備が終わった状態の自動車が安全に走行できるかを確認するのがメインの仕事です。そのため自動車検査員資格を取得するには、自動車整備士の仕事にも理解が必要になります。
資格の詳しい内容を見ていきましょう。
自動車検査員の資格には、以下のようなものがあります。
資格の内容
自動車検査員資格とは、「メンテナンスをうけた自動車がちゃんと公道を走れる状態か?整備にミスはないか?」を最終確認する知識を有した者にあたえれる資格です。
有資格者は、「みなし公務員」に位置づけられます。取得後にできる仕事はこちらです。
・完成検査…整備が完了した自動車の最終チェック
・設備の安全管理…設備が正常に稼動しているかの確認
・業務の監督…資格をもたない工員や整備士たちの監督
主な証明書、認定書
自動車検査員技能講習修了証明書:自動車検査員としての業務を行うためには、まずこの資格が必要です。自動車整備士の資格を持っている場合は、講習期間が短縮される場合があります。
自動車検査員認定証:自動車検査員技能講習修了証明書を取得した後、国土交通省が実施する試験に合格することで、自動車検査員認定証が発行されます。この認定証がないと、自動車検査を実施することができません。
検査員講習修了証明書:定期的に行われる研修を受講することで取得することができます。この講習修了証明書がない場合は、検査を行うことができません。
自動車検査員は、業務を行う上で高い専門性が求められるため、資格取得後も定期的な研修を受講し、最新の技術や法律などについて常に学習する必要があります。また、検査員としての責任を理解し、常に正確で公正な判断を下すことが求められます。
受験資格の条件
自動車検査員の資格は、受講と試験に合格することでもらえます。
① 自動車検査員教習を受講する
② 自動車検査員教習の修了試験に合格する
受講資格の条件は「実務と必要な資格があること」と、なかなか厳しく設定されています。必要な条件は3つあります。
① 整備士主任として実務経験が1年以上であること
② 整備主任者研修の受講を完了していること
③ 「指定工場」で働いていること
この場合の整備士とは、「自動車整備士」資格をもつ者を指します。
級の指定はありませんが、2級自動車シャシ整備士を除いた1級または2級整備士としての経験が必要です。
試験までの流れ
受験資格が得られたら、受験前に講習へ参加しなければなりません。
資格取得までの一連の流れは以下の通りです。
① 受験資格の条件を満たす
② 自動車検査員教習を受講する(4回)
③ 自動車検査員教習試験を受験する
④ 試験に合格する
⑤ 自動車検査員の資格を取得
先は長いですが、資格手当や接遇がよくなるため、ぜひ挑戦したいですね。
試験内容と難易度について
試験の内容は「検査に関する項目」と「基礎法令・整備士法令」のふたつがあります。
出題形式は、選択式と計算問題です。設問数は約100問で、出題範囲は自動車検査員の教習で学んだ内容から問題がだされます。
試験日程 | 8月・12月の年2回 |
試験内容 | 第1章 整備事業関係 第2章 検査業務関係 第3章 実務の設問と解説 第4章 独立行政法人自動車技術総合機構関係 第5章 軽自動車検査協会関係 |
合格率 | 50%~70% |
合格基準 | ・全体の8割以上 ・各章の責任点、6割以上 |
主催 | 各都道府県の自動車整備振興会 |
合格の基準について詳しくは、「指定自動車整備事業業務取扱要領」で明示されています。
合格率は50%以上と、国家資格の中では比較的、簡単な資格といえます。
しかし毎年、出題傾向が変わるため、ときには合格率が10%台だった地域もあるので油断は禁物です。
自動車検査員の勉強方法
![自動車検査員の勉強方法](./img/inspector_03.jpg)
自動車検査員の資格試験は、年に2回しかないのでなるべくなら1度の受験で合格したいものです。実際に、自動車検査員に1発で合格した人からのアドバイスをまとめました。
過去問を解きまくる
自分が受験する自治体の過去問を3~5年分、ひたすら解きまくり、合格点をとれるまで暗記しましょう。「講習が始まってからじゃダメなの?」と思うかもしれませんが、講習期間では全ての項目を覚えきれません。できれば受験半年前からコツコツ勉強を始めておきましょう。
出題傾向をつかむ
自動車検査員の資格には、法令に関する設問があります。ここでポイントなのが、法令が変更された場合です。試験の直前に法令が変わると、高い確率で変更点に関する問題がでる傾向があります。ただし、講習期間中に変更された法令に関しては、基本的には出題されないため、安心して勉強を続けていきましょう。さらに過去問をたくさん解いていくと、出題傾向を把握できるため、なるべく自分の受験する自治体の過去問を解きましょう。
最後に
自動車検査員の受験資格の壁は高いですが、取得すると接遇がアップするという大きいメリットもあります。もし自動整備士の資格をもっているなら、さらに高みを目指して自動車検査員の資格に挑戦してみてはいかがでしょうか?
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自動車学部の学科紹介
学科・コース名 | 概要 | 目指せる職種 | 目指せる資格 |
---|---|---|---|
一級自動車工学科 | 電気自動車、水素自動車などの次世代自動車の最先端の技術と一級整備士を取得します |
一級自動車整備士 自動車検査員 セールスエンジニア 他 |
一級小型自動車整備士 販売士二級 低圧電気取扱者講習 他 |
自動車工学科 | 車を教材にして、自動車整備の基本技術を学び二級整備士を取得する学科 |
自動車整備士 二輪自動車整備士 自動車検査員 他 |
二級ガソリン自動車整備士 二級ジーゼル自動車整備士 二級2輪自動車整備士 他 |
車体工学科 | 兵庫県下で唯一の鈑金・塗装技術と車体整備士の資格を取得 |
自動車車体整備士 レストア技術者 自動車整備士 他 |
車体整備士 有機溶剤作業主任者 中古自動車査定士 他 |